★WHITESVILLE AWARD JACKET

永遠のカレッジアイテムの一つであるスタジアム・ジャンパー。通称「スタジャン」。スタジアム・ジャンパーとは和製英語で、アメリカでは主に学生がスポーツの大会や試合等に出場し、優秀な成績を納めた者だけが着用出来ることから「アワードジャケット」、「レターマンズジャケット」、「ヴァーシティジャケット」と一般的に呼ばれている。スタジャンの歴史は古く、1900年代初頭にアメリカで野球選手のために開発されたと伝えられている。当初は厚手のセータースタイルであった。今日迄のスタジャンの主流を成すメルトン・ウールとレザー・アームのコンビネーションスタイルが確立されたのは1930年代と言われている。ジャケット全体をレザー製にするよりも、身頃をメルトン・ウール素材にすることで適度な運動性を保つと同時に保温性も確保出来ることから、摩擦の多い袖だけをレザー・アームとしてこのようなスタイルになったと伝えられている。その後1950年代に入り、スタジャンは若者達の間でファッションアイテムとして注目を浴びるようになり、セットイン・スリーブやラグラン・スリーブといった型のヴァリエーションに加え、ダブル衿などのリブの形状、多種多様のカラーリングなど美的要素が盛り込まれていった。

通常、アメリカの学生が着るスタジャンには、胸にチームの頭文字やトレードマークのキャラクター、袖には卒業年度や自分のゼッケンナンバー、大会受賞年度等が縫い付けられている。これらのワッペンは一般的に「シニール」や「レター」と呼ばれ、フェルト地にパイル状(さがら刺繍)で仕上げられたものが主流となっている。このシニールは、一般的に選手として大会や試合に出場した者だけにその記念として参加賞や賞品として配られたもので、彼らはそれを自分のジャケットに縫い付け、スポーツマンの証として誇らし気に着用していた。スタジャンがファッションアイテムとして注目を浴びるようになった1950年代以降は、このシニールがジャケットにどれだけ貼り付いてるかで選手自身の成績と凄さを物語っていた。この“物凄い”スポーツマン達は当然の事ながらキャンパス内外でも女性から注目を浴び、“憧れの的”の存在であった。1950年代以降、ファシッョンアイテムの一つとして確立されたスタジャンは、スポーツクラブに所属する選手だけに限らず、モーターサイクルクラブやカークラブなど、気の合う仲間同士で作られたユニークなタイプも加わり、より魅力的なアイテムとして変化を遂げてきた。

ブランド名の「ホワイツビル」は、もともとスポーツウェアやアンダーウェアを扱うメーカーで、1950年代にアメリカの大手百貨店の通信販売などでも一部扱われていた。当時の「ホワイツビル」は、今日のスタジャンの様なスポーツジャケットも少量手掛けており、その作りはアンダーウェアのような日常着同様頑強であった。作りだけに限らず、素材、パーツに至る迄余す事なく受け継ぎ、「シニール」等のデザインは独自の発想をもとに現代に蘇らせている。


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