VINTAGE SOUVENIR JACKET MUSEUM – ”EAGLE”

TEXT: テーラー東洋 企画総括・スカジャン研究家 松山達朗 (TATSURO MATSUYAMA)

ヴィンテージスカジャンミュージアム 「イーグル」

 

Early 1950’s Vintage Souvenir Shirts Jacket “EAGLE”

 

 

満開の桜の中で翼を広げ、今にも飛び立とうとする鷲を描いた1950年代前期の作品。ミリタリーのユニフォームに似た形状のシャツジャケットタイプ。このヴィンテージスーベニアジャケット最大の特徴は「表側よりも裏側の色糸の方が鮮やか」という点である。

 

 

 

日本画には、表だけでなく裏からも色を塗り、表の色に深みを与える「裏彩色(うらざいしき)」という技法が存在するが、それを意識したものであろうか。もしくは、裏側の鮮やかな色糸が本来の色で、表側のくすんだ色糸は経年変化により褪色した色味なのか。黒いアセテート生地では下糸の色は透けにくいはずであり、その意図を完全に推し量ることは難しいが、このようにイレギュラーなディテールこそが、ヴィンテージスーベニアジャケットならではの魅力と言えよう。

 

 

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